村上春樹の小説を読んでいたときに主人公が相手の問いかけに対して肯定の意味で「首を振った」という表現をしていた。
振ると言われると縦に振っている様子が真っ先に思い浮かぶのは私だけだろうか
なんとなく違和感を感じたので
首だけでなく「振る」動作を行うものを思い浮かべてみる
まずは「犬のしっぽ」
餌を目の前にして待てをされている犬が
喜んでいるのかしっぽを左右に揺らしている
「扇風機」
こちらも左右に風向きを変えながら行ったり来たりしている
風が当たる対象となる人間が縦に並ぶことはないから縦に振ることはないだろう
「木の枝が風に流されて振られている」
こちらも町中に置いては風は横にとおり抜けていくため
縦に揺られることはない
「手を振る」
これに関しては縦に振る場合、「手をこまねく」という表現に変わってしまう
どうしても首を縦に振ったと表現しなければ肯定をしているのか否定をしているのか一瞬わからなくなってしまうのだ
もちろん話の流れからどちらに取るか容易に判断が付くのだが
どうも首を縦に振る動作は自然でないように感じる
よくよく考えてみると首を縦に振るときは「うなずく」という表現になるべきでは?
そこでネットで調べていたところ、海外では一部の地域で日本とは逆の意味になる地域があることを知った。
つまり、
首を縦に振る=否定
横に振る=肯定
となる
村上春樹はギリシャで生活をしていた期間があり、そこでは首の振り方の意味が日本とは異なる
翻訳した際にどちらの意味でも通せるようにすると首を振ったという表現になるということか
なるほど、世界で活躍するにはこうした細かい言葉選びがモノを言うのかと感心した